経営学部同窓会事務局便りNO.1

2006.10.05

- 和光化学工業株式会社 米田禎孝社長
            200人の学生を前にして 大学の講師となる -

10月3日(火)4講時(15:00-16:30)龍谷大学経営学部寺島教授の「実践・キャリア形成論Ⅱ」授業で、和光化学工業株式会社代表取締役社長の米田禎孝氏が大学の講師を務められました。同氏は、経営学部同窓会副会長でもあり、経営学部同窓会の付置機関として設置されましたNPO龍谷経営者の会の理事長でもあります。
 講義内容は、90分の講義時間が少なすぎるほどの熱の籠もった内容で、今時の学生が興味をもって米田氏の講義に聴き入っていたのが印象的でありました。
 同氏は、自らの生い立ち(人生)を縦の物さしとし、年齢とともに何を考え、経営者として何を注いできたのかを横軸にして、自社の経営理念・経営方針・人生訓を織り交ぜながら、分かりやすく講義が行われました。実際に製造しているガラス瓶への静電塗装技術の現物を学生に見せながらの講義は、一種の感動を与えながら生の経営学を学生達は享受していたように思います。

 米田氏の経営哲学は、一個人いち個人を大切に平等に扱う中に、その人が持つ最大のアイデアや輝きを引き出そうとする精神を企業理念に位置付けられている。その生い立ちは、何故か仏教精神の気風が知らず知らずのうちに米田社長を創り出して来たようにも思う。自分が儲けることよりも人が喜んでくれるものを社員と一体になって考えている。どんな社員の意見もムダなものはなく、社長や上司に進言してくれるその姿勢こそが大切である。ベテランはドーナツのカステラ部分であり、若手は真ん中の空間である。 空間にベテランが入っていくのではなく、空間の中にいる若手がベテラン社員に素直に問いかけてくる姿勢を大切に活かす会社をつくっている。米田氏は、社員教育として全員参加の中で、みんなで喜びを分かち合う。そのため、どんな小さな目標であっても、それぞれの社員が持ってくれる会社づくりをしている。目標や目的を持てば、新たなアイデアが生まれる。また、考えていかなければならない。そうした発想は学生達には身近な言葉であるが、なかなか現実的に分からない現代社会の中で、社長の人生訓としての分かりやすい経営者としての体験の中からの表現は、将来和光化学工業株式会社に勤務したいという学生が何人かいたのではないかと思った。
 ISO9001(品質マネージメント)、ISO14001(環境マネージメント)システムは、何故綺麗な職場で、顧客満足として喜んでもらえる会社としなければならないかへの取り組みは、学生に今後色々と考えていく上で大きな示唆を与えたのではないかと感じた。

 米田社長の夢と夢に向かっての実現と行動は、学生にとってもすがすがしい感じを与えていたのではないか、ヨーロッパへの進出をしたい、シャネルの化粧瓶を手がけたい等、ましては当社の従業員はそんな社長に誇りを持ち、明日への情熱と知恵を出そうとしている姿に、聞き手は何故か快い経営哲学を聞かせていただいた講義でありました。

文責:経営学部同窓会事務局長 辻川淳一